虎2猫


 



気が付けば
TYAN製のデュアルSocketAマザー、TigerMPによるデュアスロン環境構築から1ヶ月以上が経過しました。

この間、当思兼のお部屋でこのネタが振れられなかったのは
デジカメが壊れたと言う他にもそれなりに理由があっての事なのですが
それは後述に。

ちなみに、今回のタイトルの『虎2猫』の"虎"とは言うまでもなくTigerMPを
"猫"とはAtlonMPが採用しているコア、Palominoの某ちゃんねるBBS内での愛称。

"虎"に"猫"が2匹(デュアル)で『虎2猫』・・・解りにくくてスミマセン・・・(´д`;)

 


 

■ベンチマーク■

まづはお約束的に。
比較対象は先代思兼環境、詳細は以下の通り。

  旧環境 虎2猫環境
M/B   Gigabyte GA-7IXE4 Tyan TigerMP
CPU Athlon(Thunderbird)@1GHz AthlonMP(Palomino)@1.2GHz(x2)
メモリ PC-100(CL2)/256MBx2 + 128MB PC2100(Registered)/256MBx4
HDD Seagate ST340016A(x2)
※ABIT HotRod 100 ProによるRAID0
VGA Canopus Spectra8400
OS Microsoft Windows2000Professional + ServicePack2


んで、ベンチ結果。

 

旧環境

虎2猫環境

3DMARK 2000 3DMark Result 5728 7148
CPU Speed 398 510
3DMARK 2001 3DMark Score 2680 3272
superPI 101万桁 2分38秒 1分31秒
HDBENCH(3.30)  ALL 31813 50828
Integer 43091 102208
Float 52424 124351
MemoryR 12846  31376
MemoryW 17815 40012
MemoryRW 21497 58507
DD 74 74
Rectangle 64354 21333
Text 51712 33683
Ellipse 8318 8426
BitBlt 1194  1711
Read  55231 77929
Write  39612  77989
Copy 9483 12046


・・・と、軒並み前環境を大幅に上回っているんですが
3DMARK系、superPIの結果に関しては
動作時のCPU負荷が下図の通りなので、CPUのデュアル化の恩恵はほとんどなく
クロックアップ、SSE等Palominoの追加機能
DDRによるメモリの高速化に拠る所大だと思われますが。



ただし、HDBENCHのCPU系の値は見事にクロック差x2の結果となっています
ベンチ取得時のCPU負荷も両CPUとも100%になってますし。

メモリもDDR化による理想値とみて良いでしょうが
ビデオとHDDの値の急増については思い当たるフシがありません。

ビデオに関しては使用していたドライバの制限で前環境ではAGPx1モード固定だったせいかもしれませんし
HDDは・・・もとよりRAID0環境では計る度に数値が安定しなかったので
さほど気にすることでもないのでしょうが・・・

あ、あとこれはベンチではないんですが
デュアルCPUとSSEに対応したWindows Media Encoder7.1
前環境で30秒強の動画のエンコードに2分20秒ほど掛かっていたものが
ほぼ1分と半分以下に短縮したのが
オイラの試した範疇では目立っていました。

で、ベンチ結果に関しては以上の通りなのなのですが
肝心の体感速度としては・・・

大差なし

なんですよね、実のトコ。

ただし、デュアル化の真価とは

"速くなる"ではなく"遅くならない"

であり、ビデオの再エンコード中とか、シングルCPUではそれだけで
パワーを全て取られてしまい、他の作業ができない状態でも
サクサク動く、と言う点で十二分以上に価値はあります。

 


 

■トラブル等■

先述の通り、環境構築から今回の更新まで1ヶ月あいたのは相応に理由があった訳で
以後はその原因たるトラブルについて・・・


問題1:Registered DDR
TigerMP発売当初、Registered DDRメモリは相当高く
256MBで1万超えは当たり前、気付くと高価で悪名高いRDRAMよりも高いという状態で
とても買えたものではなかったのですが。

ただ、高値も国内のみのお話で
大手メモリチップベンダーのひとつ、Micron直販サイトでは
256MB1枚が$44.99と、国内価格の半値以下。

送料は別途$15かかりますが、4枚まとめ買いだと
それでもトータルで国内価格がバカらしく感じられるので
オイラ的にはこちらでGet。(当然カード決済)

出荷も即日、"3日で着く"の噂どおり・・・だったのですが
注文3日後の土曜日に荷物が届いたのはFedExの最寄の営業所。

Fedex自体が土日配送をやっていないので、手元に届いたのは
正味5日後の月曜でした。 < それでも"3営業日"と言えなくもなし

・・・ただTigerMP登場以後、国内価格もハイペースで下がっているので
今日日なら海外通販を利用するメリットは少なくなったようです。


問題2:ケース
TigerMPは比較的大きなマザーボードです・・・といっても
特別大きい訳ではなくATXの規格に収まるサイズなのですが。

それでも一部ミドルタワーケースでは5inベイのフレームとメモリスロットが干渉し
マザーがケースに入らない可能性があります。

てか、

オイラがそうでした。(´д`;)

どうも、奥行き450mm程度以下のケースでは物理的に格納不能と見るべきで
奥行き500mm程度の比較的大きめのケースを選んだ方がいいようです。

・・・まぁ、奥行き500mm程度ミドルタワーケースなら"一般的"の範疇で
どこの店先でも数多く見られると思いますが。

また、これはケースとさほど関係無いのですが
IDE、FDDの各コネクタがマザボ一番下にあるため
CDドライブ等を30cm位の短いケーブルを使っている場合
一番下の5inベイでなければケーブルが届かない可能性があります。

ケース内の空気対流等考慮して、遊びの少ないケーブルを這わせている方も多々いると思いますが
この辺落とし穴なのでご留意の程。


問題3: Win2kSP2とYMF-7x4
Windows2000SP2で書き換えられるモジュールで"wdmaud.sys"というのがあるのですが
これとYMF-7x4のWDMドライバとの相性が最悪で
から7x4ドライバをコールに行くとブルーサンダーとなり、OSが落ちてしまいます。

これは件のをSP1以前のものに置き換えてやれば
この問題は解消し動作も正常となります。

これは既知の障害で、単にTigerMPに起因するとは言い切れない・・・というか
OS(SP2)かドライバに起因する現象のようですが、少なくともオイラの前の環境では
同じSP2と7x4ドライバでこの障害が起こっていなかったので、とりあえづ。


問題4:Unknown Hard Error
こちらも既知の障害で、どちらかと言えばOS(Win2k)に起因する障害のようですが
また同じく前の環境のほぼ同じ構成で起きていなかったので。

Win2k環境を構築し、正常かつ安定して動作するのですが
1週間ほどすると突然起動中に『Unknown Hard Error』と言うメッセージと共に
ブルーサンダーになり、こうなったら最後
以後はseafモードでの起動すら不可、OS再インストを強いられるようにます。

オイラは原因が解らず、流されるままにOS再インストをして結果
3回ほどこれを繰り返してたのですが、調べたところこの障害はどうやら

HDDがアクセスしている時は
電源を落としてはいけない

という、初心者にまず徹底させておかなければならないタブーを
OS自らが、しかもOS終了作業中の書き込み中という

これ以上考えられない
最悪のタイミング

でやってくれるという信じられない事に起因するようで。

さらに、この現象の原因として考えられるのは

1.Maxtor製HDDを使用
2.Win2kSP1以前の環境でATA100のHDDを使用
3・上記の条件いずれかを満たしつつ、NTFSで使用
4・MS純正以外のIDEドライバを使用

だそうで、オイラのTigerMP環境の場合
4のみが該当します。(ABIT HotRod100ProでRAID-0を組んでいたため)

そして、これらの対応策としては

1.Capacity Limitationジャンパ(J46)を外す(Maxtor製HDDのみ)
2.Win2kSP2を導入する
3・FAT32で使用
4.MS純正IDEドライバを使用
5.ACPIを切る(OSに電源管理をやらせない)

と言うのが考えられます。

ただし、Seagate製HDDでSP2適応済みなオイラの環境では1、2は関係なく
3と5は"最後の手段"とし、現在のところ4の対策を講じています。

すなわち、ドライバがベンダ提供のHotRod100Pro(RAID-0)をやめ
HDDをMS純正ドライバが提供されているAMD766からの接続に切り替えたのですが
2週間近く過ぎた現在、障害の再現もなく動作しています。

ただ、この現象は何の前触れもなく突然起こるので油断も隙もないのですが・・・

 


 

最後に。

対応メモリがRegistered DDRのみというのを除き
オンボードにSCSIやビデオはおろか、サウンドすら乗らないという素直さに
ノース、サウス共にAMD純正と言うファクターを加え、個人的には相当に好みなマザーです。

デュアルCPUの効果は対応アプリ、非対応アプリ共に大きな効果を得られたのは先述の通りですし
コストパフォーマンス面も含めお勧め・・・なのですが、同じく先述の通りトラブルに見舞われたのも事実です。

単純にTigerMPのせいではない(てか、明らかにWindows2000側の問題)とは思われますが
TigerMP移行時にこれまで起きなかったものが起きた、というのも確かで。

個人的には"相当に満足度は高い"としながらも
『それで人に薦められるか』どうかの判断は保留し
ここではただ1経験談としての情報提供のみとさせていただきます。
(何の問題もない、という動作報告も見かけますし)

結局のところ、今回の件でオイラ的に一番信頼をなくしたのは他ならぬWindows2000。

問題なく稼動している時点での安定度は9x系OSに等及びもつかないものがあり
これで今さら9x系に戻る事もないと思いますが
いざトラブった場合の深刻度もまた9x系の比ではないという事も
今回の経験から来る結論でもあります。

どちらにしても

所詮はMS製品

と腹を括らねばならない、と言う事で。(´д`;)